この記事は約 9 分で読めます。

不妊症ってなに!?不妊症と治療方法をまとめてみた

晩婚化や、第一子を出産する年齢も年々上昇傾向にあるため、不妊を心配する夫婦、実際に不妊治療を始める夫婦、「2人目不妊」に悩む夫婦が増えるなど、不妊は身近な問題となっています。

「不妊症」の定義とは?

どういった症状の場合に「不妊症」というのでしょうか。

一般的に「不妊症」とは、生殖可能な年齢にあり、避妊をせずに継続的に性交を行っているにもかかわらず、1年以上赤ちゃんを授かる事ができない状態のことをいいます。

不妊症は病気なの?

「不妊症」という病名はありません。不妊症は病気ではなく、いうならば「症候群」です。

検査により、「子宮内膜症」「多嚢胞性卵巣症候群」といった不妊を引き起こす病気が見つかったり、「排卵障害」「精子の異常」「ED」など不妊を引き起こす原因がわかることもありますが、実は原因が特定できない場合も多いのです。

原因がハッキリと特定できず病名は付かないが、何かしらの障害が起こり妊娠しづらい状態になっている状態を「不妊症」とよんでいます。

もしかして不妊かも?と思ったら・・・

不妊症は「避妊をせずに継続的に性交を行っているにもかかわらず、1年以上赤ちゃんを授かる事ができない状態」のことをいうのですが、1年を待たずに医師に相談し検査や治療に踏み切った方が良い場合もあります。

「不妊かも?」と思っても病院に行くには勇気が必要ですよね。病院で不妊治療をはじめればすぐに妊娠できるだろうと先延ばしにするのは危険です。もちろん、不妊治療によってすぐに赤ちゃんを授かることができる人もいますが、なかなか妊娠に至らず治療を進めるうちにあっというまに1年2年と過ぎてしまうことも珍しくありません。

なぜなら、不妊治療は負担の少ない治療から始め、徐々に高度な治療に移行するのが一般的で、その治療が有効かどうか判断するためには、ある程度の期間続けて様子をみる必要があるからです。年齢が高くなればなるほど、卵子が老化したり、妊娠率も低下していくことがわかっていますから、後悔しないためにも早めに病院に相談に行くことが大切です。 

どんな流れで治療するのか、治療法のメリット・デメリットなど、ある程度「不妊治療」について知っておくとスムーズに相談できると思います。
もし、基礎体温を付けているなら持参するとよいですよ。

不妊治療って具体的にどんなことをするの?

不妊治療の流れとしては、まずは不妊の原因を特定する「各種検査」が行われます。

  • 基礎体温・・・排卵の有無、黄体機能を判定
  • 超音波検査・・・子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣嚢腫などの診断
  • 子宮頚管粘液検査・・・精子の通り道が塞がれていないかどうか、排卵の時期の推測、卵巣の機能を調べる
  • フーナーテスト・・・性交後の子宮頸管粘液を顕微鏡で調べて精子の状態を見る検査
  • 子宮卵管造影検査・・・子宮や卵管に造影剤を注入し、子宮腔の形、大きさ、卵管の通過性、狭窄の有無を診断するとともに、卵管の軽度な癒着を広げる効果もある
  • そのほか、各種ホルモン検査や精液検査などが行われます。

検査により、不妊症の原因となる病気が判明した場合には、その病気の治療を行います。しかし、検査で異常は見つからず不妊の原因が特定できないことも多いのです。そういった場合には、ステップアップ治療が行われます。

不妊治療の基本「ステップアップ治療」って?

不妊治療には大きく分けて「一般不妊治療」と「生殖補助医療(ART)」があります。

◆一般不妊治療・・・タイミング法、排卵誘発法、人工授精
◆生殖補助医療(ART)・・・体外授精、顕微授精

不妊治療は、身体的・心理的・経済的に負担の少ない一般不妊治療の「タイミング法」から始め、結果が出なければ「排卵誘発法」「人工受精」と治療をステップアップしていくのが一般的です。

ステップアップさせる周期(期間)の判定は病院や医師によって様々です。一般不妊治療で結果が出ない場合には、より高度な生殖補助医療(ART)に進むことが多いです。

一般不妊治療の流れと治療のメリット・デメリット

一般不妊治療には、「タイミング法」「排卵誘発法」「人工授精」があります。それぞれの治療内容とメリット・デメリットをみていきましょう。

タイミング法とは?

まず最初に行われることが多い「タイミング法」は、妊娠しやすい排卵日に合わせて性交を行い自然妊娠を目指す方法です。
赤ちゃんを望んでいる人なら既に、基礎体温を記録したり、排卵チェッカーなどを使用して自分で排卵日を予測してる人も多いかもしれません。

平均で卵子の寿命は24時間なのに対して、精子の寿命は3日なので、排卵した時に精子が卵子の近くで待っている状態が理想なのですが、基礎体温や排卵チェッカーで変化がわかった時には既に排卵後であることも多いため、タイミングが微妙にずれてしまうことも多いのです

【タイミング法のメリット】
・身体的・経済的負担が少ない
・おりものの状態・卵胞の大きさ・血中のホルモン値の測定をすることで排卵日を正確に把握することができる
【タイミング法のデメリット】
・この日に性交しなくては・・・とプレッシャーになる

排卵誘発法とは?

いくらタイミングを合わせても排卵がなければ妊娠することは不可能です。排卵がない「無排卵月経」、生理がない「無月経」、月経周期が異常に長い「希発月経」など、排卵がうまくいかない「排卵障害」の可能性が考えられる場合は、内服薬や注射で卵巣を刺激して排卵を促す「排卵誘発法」を行います。

排卵がある場合でも、卵子の数を増やして妊娠率を上げる目的で使用する場合もあります。

【排卵誘発法のメリット】
・複数の卵子が排卵されるため、受精卵ができる可能性が高まる
【排卵誘発法のデメリット】
・卵巣を刺激し排卵を起こすため、卵巣が腫れたり、腹水がたまる「卵巣過剰刺激症候群」を引き起こす可能性がある
・双子・三つ子などの多胎妊娠の可能性が高まる

多児妊娠は、母体・胎児の両方に高いリスクを伴います。例えば、胎児発育不全や、赤ちゃんのうち1人が亡くなってしまったりすることもあります。
妊娠中毒症を発症しやすくなったり、早産の危険、微弱陣痛、分娩後に弛緩出血が起こりやすくなるなど難産になる傾向があります。 

人工授精とは?

人工授精は、最も妊娠しやすい排卵日に合わせて、採取した精子を直接女性の子宮内に注入する方法です。受精が行われる卵管膨大部までたどり着く精子の数を増やすことで、卵子と精子が出合う確率を高めることができます。卵管に直接注入するケースもあるようです。

人工授精当日は、採取した精子を服の下などに入れて体温に近い状態で病院に持参する必要があります。頚管粘液(おりもの)が少ない人、フーナーテストで精子の数や運動率が少ないと判断された場合、勃起不全(ED)など男性側に不妊の原因がある場合に有効な治療方法です。 

フーナーテストとは、検査の12時間前くらいまでに性交を行い、性交後の子宮頸管粘液を顕微鏡で調べて精子の状態を見る検査です。

【人工授精のメリット】
・痛みが少なく治療は短時間ですみ、経済的負担も少ない(1~3万)ため、毎周期治療を受けやすい
・受精・着床など自然妊娠と同じ経過をたどるため、自然なかたちで妊娠できる
【人工授精のデメリット】
・排卵誘発剤による副作用の可能性がある
・体外受精・顕微受精と比較すると妊娠率は決して高くなく、5~6周期目以降は大きく低下する

生殖補助医療(ART)ってどんな治療法?

生殖補助医療(ART)とは、「体外受精」「顕微受精」のことで、最も医療技術を必要とする高度な治療法です。

体外受精とは?

採取した卵子に、運動率の高い精子を培養液の中で出合わせ、できた受精卵(胚)を子宮内に戻す方法です。卵管に問題がある場合、精子の数が少なくて卵子までたどり着けない場合、人工授精で結果が出なかった人に有効な治療法です。

たくさんの良質な卵子を採取するため、ホルモン剤・排卵誘発剤、hCG注射(黄体ホルモン投与)などを使用し、麻酔をして卵子を採取します。複数の卵子が採取でき、受精卵がいくつかできた場合は、グレードが高い受精卵(胚)を子宮に戻し、残りを凍らせて保管します。

凍結した受精卵(胚)は、次回の治療で溶かして移植することができるため、体に負担の多い採卵を減らすことができます。移植する受精卵(胚)の数を1つにすれば、多胎妊娠のリスクを減らすこともできます。

【体外受精のメリット】
・自然妊娠が難しい人でも妊娠できる可能性がある
【体外受精のデメリット】
・排卵を促す注射、採卵には痛みも伴うため身体的・心理的負担が大きい
・保険が適用されないため、経済的負担(30~50万)が大きい

受精卵(胚)を子宮内へ戻してあげることを「移植」といいます。体外受精では、受精卵の培養期間によって段階があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。どの段階で移植するか、どの段階で凍結するかは医師と相談して決めましょう。

初期胚移植

受精から2~3日目、4~8個に細胞分裂した受精卵(胚)を子宮に戻すのが「初期胚移植」です。高い確率で移植することができるというメリットがありますが、優良な受精卵(胚)を選別するのが難しく、移植しても子宮内で育たない場合も多いことがデメリットといえます。

桑実胚移植

受精から4~5日目、8~16個に細胞分裂した受精卵(胚)は、分裂した細胞同士がくっつき桑の実のような形になるため「桑実胚」とよばれます。
この状態で子宮に戻すのが、「桑実胚移植」です。初期胚移植と比較すると、着床する確率が高いことがメリットです。

胚盤胞移植

受精から5~6日目、胎盤になる「外細胞塊」と、胎芽(赤ちゃんのもと)になる「内細胞塊」に分かれ、液体を溜めこみ始めます。この状態で子宮に戻すのが「胚盤胞移植」です。受精卵(胚)の成長が進んでいる状態で移植するほど着床率は高くなるので、着床間近の状態まで培養した「胚盤胞移植」は妊娠率が高いのがメリットです。

しかし、胚盤胞まで育てるのは難しく費用が高くなること、胎盤を共有する特殊な双子ができるリスクが高くなるのがデメリットです。

顕微授精とは?

体外受精で結果が出なかった場合、顕微受精にステップアップします。顕微受精は、顕微鏡を使い人の手で受精させるので、精子の運動性が低い場合、精子の数が極端に少ない場合に有効です。

体外受精と顕微受精の違いって?

卵子と精子を採取し、体外で作成された受精卵を子宮内に戻すという点では同じです。体外受精は、培養液の中で卵子と精子を出合わせることはしますが、精子が自分の力で卵子に入り自然に受精するのを待ちます。顕微授精は、顕微鏡で見ながら細い針で、卵子の中に直接精子を注入して授精させます。

顕微授精は高度な医療技術を必要とするため、体外受精よりも費用が高くなります。病院やオプションによって費用に違いはありますが、50万~多い時は100万近くかかることもあります。

不妊治療は保険が適用されないって本当?

不妊治療というと多額の費用がかかることは広く知られていますよね。どうしてそんなに費用がかかるかというと、不妊治療には保険が適用されない治療が多いからです。

健康保険は、「病気」の治療をする場合に適用されます。不妊の原因となっている「病気」の治療や、その病気を調べるための検査には健康保険が適用されますが、不妊症は病気とみなされないため、人工授精・体外授精・顕微授精といった治療には保険が適用されません。

しかし、2004年に不妊治療の経済的な負担を減らすため「特定不妊治療費助成制度」がスタートしたことで、助成金制度を設けている自治体が増えています。

住んでいる都道府県・市町村によって条件や申請方法などが異なりますが、高額な医療費がかかる「体外授精」と「顕微授精」には助成金が支給されます。厚生労働省や都道府県、市町村のホームページで確認し、忘れずに申請しましょう。

不妊治療費の助成【府中市の場合】

府中市の場合は、市ではなく東京都に申請することで、助成金を受け取ることができます。助成の対象となる治療は、体外受精と顕微授精のみで、助成上限額は30万円です。所得制限や申請期限が定められているためホームページで確認しましょう。

治療開始時に法律上の婚姻をしている夫婦であることが条件で、治療開始時の妻の年齢によって申請回数が定められています。妻の年齢が43歳以上で開始した治療は全て助成対象外になるため注意が必要です。妊娠率も高齢になるほど低くなるため、不妊かなと思ったら早めに治療を始めることが大切です。

また、保険も適用されますので一度見直しをしてみてはいかがでしょうか。
見直しはこちらからできます。